先日、たくさんの縁が繋がり
新しいチャレンジをすることが
出来ました。
今日は、そのチャレンジから得た
気付きを少し書いていこうと
思います。
息子が亡くなる約1年前に
心不全と診断され、
医療に出来ることは
もうほとんど残されていないと
宣告を受けた時があります。
この時は頭が真っ白になり
どうすればいいのか分からず
途方に暮れていました。
ちょうどその時に、
同じく先天性心疾患で産まれた
お子さんがいて、
その病気がキッカケで
知り合った友人から、
『メディカルアロマ』
を教えてもらいました。
出来ることはなんでもやろうと、
藁にもすがる気持ちで
アロマにチャレンジしました。
そして、
アロマを使ったマッサージを
息子に繰り返し行っていた時の経験を、
そのメディカルアロマを
使用している方たちの
勉強会の集まりの中で、
お話させていただく機会を
いただいたんですね。
zoomを使ったオンラインでの
セミナーだったのですが、
オンラインで30分近く話す
経験など今までしたことがなかったので
とても緊張しました。
でも、
話をすることが出来て
とてもよかった。
素晴らしいチャンスをいただいて
本当にありがとうございました。
妻も息子のことをたくさんの人に
伝えられてとても喜んでいました。
このセミナーが終わって
僕は一人ぼーっとしていたんですけど、
その時頭に浮かんできたのが、
「こんな道が用意されているとは
想像もしなかったな」
ということでした。
20歳くらいの僕の中では、
40歳くらいの時には、
自宅兼ヘアサロンを持ち
自営業をしている予定でした。
学校から帰ってきた自分の子が
お店のドアから、
「ただいまー!」
と帰ってきて、お客さんから、
「今日も学校たのしかったー?」
みたいな会話が飛び交う、
そんなサロンを想像していました。
しかし、
息子が病気を持って生まれてきた時に
そんな想像は全て吹っ飛び、
積み上げてきたものは崩れ去り
地面に叩きつけられた訳です。
そんな右往左往していた時の
光景を思い浮かべながら僕は、
ぼーっとしながら
こんなことを考えていました。
「目標って一体なんだろうな?」
残念ながら僕は目標設定とか
目標を何が何でも達成する
みたいなのがとても苦手なんですけど、
もし仮に、僕が目標に向かって
突き進んでいくタイプだったら、
多分、離婚してただろうなと
思うんですね。
病気の子をそっちのけで
自分の夢や目標を追いかける父親では、
恐らく夫婦関係は保てないでしょう。
(まあ、途中までそういう気もあったことを
ここに懺悔しなければいけませんが。)
では逆に、
20歳くらいの僕がこんな目標を
立てたりしただろうか?
「奥さんに病気の子を産んでもらって
その子が命の危機に陥るから、
メディカルアロマを使って
身体のケアをするけど、
その甲斐なく子どもが亡くなって
その経験をみんなに話すぞ」
こんなこと絶対にあり得ないですよね。
というか人として終わってますね。
そんなことを考えながら、
「目標って、今の自分の頭の中で想像できる
範囲のことしか設定できないよな」
って思ったんですね。
地図で例えるなら、
目標を決めるためには
二つのことが必要になります。
・自分の位置
・目的地
ここが分かるからルートが分かり
そこへ向かって進むことが出来る。
僕は幸いなことに、
(人として深まる経験を出来たことを
僕は幸いと呼びたい)
運命とやらに翻弄されるうちに
流れ流れて自分では想像出来ないような
経験をさせてもらいました。
これは目標をキッチリ達成するような
スタイルで生きる方には味わえない、
貴重で有難い経験だったと思います。
まあ、僕は別に目標を設定して
そこを目指すことを悪いことと
思ってる訳ではないし、
僕自身も、つい最近までは、
・自分の位置
・目的地
を定めることが大切だと
やはり頭では考えていましたから。
でも、
どうしても出来なかった。
自分の位置も目的地も
いくら探しても分からなかった。
だから、
キッパリ諦めます。
自分の位置も目的地も知らない。
こんな地図なんていらない。
ただ、
自分が踏み出すこの一歩だけを、
迷いなく絶対的に信頼しよう。
進む先はもしかしたら
溶岩の湖かもしれないし
氷の山かもしれないけど、
まあ、それもいいじゃないか。
途中で力尽きて息絶えたって
早く息子に会えるしいいじゃないか。
なんかそんな風に思えています。
あぁ、心は自由だなんて思うと
僕はとてもワクワクするんですね。
この先にどんなことが
待っているんでしょうね。
死ぬまでしっかりと生きようと思います。