頭で考えすぎずに
感覚に身を委ねてみようと
思った時に、
ふと、思い出したことがありました。
息子が亡くなってから
しばらくの間、
僕はどうしても息子のことを
イメージすることが
出来ない時期があったんですね。
顔も浮かんでこないし
声も思い出せない。
これはきっと、
ショックな出来事から
自分の心を守るための
防衛本能なのだろうと思います。
他にも、
精神科医の泉谷閑示先生は
うつ病のことを、
頭が無理やり身体をコントロール
しようとすることに対して、
心や身体からのストライキだと
表現されていました。
強制的に身体を動けなくする
ということですね。
こういった事を経験したり
知ったりするうちに、
頭でアレコレ考えるよりも、
まずは心や身体の声を
しっかりと聴くことの重要性に
気付くようになりました。
そして、人間には元々
身を委ねて信頼するに足る機能が
備わっているんだと、
強く感じるようになったんですね。
(ちょっと機能という表現は
適切ではない気がするけど
良い表現が思いつかない)
まあ、そんな重要な気付きを
得ていたにも関わらず、
いつの間にか頭に支配されていて
まさに昨日、
「あっ、また元に戻ってた」
と思い出した訳ですけど。
自然体に戻った状態で
昨日は眠りについたのですが、
久しぶりに息子の夢を見ました。
この夢はとてもリアルで、
息子を抱っこしていた感触を
ハッキリと感じることが出来ました。
肉の少ない骨ばった小さなお尻。
肌の上からその骨の感触を
感じるくらいリアルな夢でした。
夜中にその夢から覚めた時、
何ともいえない悲しさが
こみ上げてきましたが、
亡くなった直後に
この夢を見ていたら、
耐え難い苦しみだったと思います。
心が今の僕であれば
耐えられる状態だと判断して
見せてくれた夢だったのかもしれません。
なんにしろ、
僕は久しぶりに息子と
再会することが出来ました。
深い悲しみの中にでも
少しずつささやかな喜びを
感じられるような、
そんな、心の在り方で
日々穏やかに過ごしたい、
そんな気持ちです。